┌┏━┓──────────────────────────┐
│Topix : 証 券 取 引 等 監 視 委 員 会 の 臨 店 検
査 (Vol.1)
└┗━┛──────────────────────────┘
┌――────────────────────────────┐
本日のTopixは、
特にお問い合わせの多い『証券取引等監視委員会の臨店検査』についてです。
細かくお伝えしたいので、2回に分けて配信します。次回の続編も乞うご期待!
└──────────────────────────────┘
==============================================================
┌───┐
│※もくじ =====================================================
└───┘
┃1
… 臨店検査とは
┗━
┃2 … 証券取引等監視委員会(SESC)とは
┗━
┃3 … 検査の流れ
┗━
◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆
□■┌─────────────┐
■□│1
: 臨店検査とは
□■└─────────────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏━┓
┃金┃融商品取引業者としての登録を受けた後、
┗━┛
金融商品取引業者は、金融商品取引法に基づき、
報告徴求・立入検査、業務改善命令等の金融庁の監督対象となり、
皆さんの関心の高い「金融検査(臨店検査とも言われます。)」を受ける形になります。
ただ、よく この「金融庁が検査に来る!」と勘違いしている方がいらっしゃいますが、
実際に検査にくるのは、基本的には「証券取引等監視委員会(SESC)」です。
「証券取引等監視委員会(SESC)」については、この後の<目次2>で話しましょう。
臨店検査は、かつて金融商品取引法が施行される前の旧法時代は、
2〜3年に1度の頻度で行われており、意外と身近な出来事でした。
しかし、金融商品取引法の施行に伴い、
検査の対象業者の概念が幅広くなったことに加え、登録業者数も一気に増えた関係で、
検査する側も、旧法時代のような頻度で臨店検査を行うことは難しいのが現状です。
未だに臨店検査を経験したことがない業者さんも多いと思います。
「うちは来ないだろう」と安心している方も多いでしょう。
でも、油断は禁物です!
最近の新規の登録会社にも検査は入っています。しかも予告なしで突然やってきます。
いざ検査が来たときに、
法定書類や帳簿類の整備、社内規程の整備等 日頃の業務管理ができていないと、
検査官の審査の目線も厳しくなり、検査期間が長期化したり、
行政処分を受ける可能性も増えたりします。
検査の結果、「〇ヶ月間業務停止」や「登録抹消」という最終処分を下される場合も
少なくありません。
そうなったら最後。
その間の利益機会を逃すだけでなく、会社としての信頼も大きく失ってしまいます。
また、その会社の役員などは、5年間の登録拒否が付きまといますので、
新しい会社で再スタートを切ろうとしてもなかなか難しい仕組みになっています。
毎日少しずつ業務体制を確認・整備し、
余裕を持って臨店検査に臨めるよう、今から準備をして行きましょう。
◆ ◇ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
┏━┓
┃Q :検査って、本当に予告なしで来るんですか?
┗━┛
┏━┓
┃A : はい、予告なしに突然来ます。
┗━┛
臨店検査は、原則として「無予告制」となっています。
なので、ほとんどの場合、朝いつも通りに出勤すると、
入口にスーツ姿の方がうろうろしていて何やら様子が変だ・・・・と思っていると、
「検査命令書」や「検査証票」を検査官から提示され、突然検査が始まります。
例外として、予告することが適当と判断されたケースでは、「予告制」が採られる場合があります。
事前に、主任検査官から検査対象先の責任者宛に電話連絡(予告)があります。
だいたい、検査実施日の1〜2週間前に来るようです。
予告を受けた場合、
慌てて書類や電子メールを廃棄・削除してしまうケースがあるようですが、
こういった行為は、検査忌避行為として厳格に処分される場合があるので、注意が必要です。
◆ ◇ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆
□■┌────────────────┐
■□│2:証券取引等監視委員会(SESC)とは
□■└────────────────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏━┓
┃皆┃さんは、証券取引等監視委員会(通称:SESC)をご存知ですか?
┗━┛
証券取引等監視委員会は、Securities and Exchange Surveillance
Commissionの
英字表記の頭文字を取って、「SESC」とも呼ばれます。
上記1でお話した検査の権限を、金融庁から委任をされ、
不正行為を防ぐべく、常に監視の眼を光らせています。
具体的な業務としては、
金融商品取引業協会や金融商品取引所等の自主規制機関や、
金融商品取引業者等(除:証券会社)に対する監査や考査、
日常的な取引状況の監視等を担っています。
内閣府設置法第54条に基づき、委員長と委員2名の合議制で構成された機関で、
金融庁に設置されています。
本部にあたる霞ヶ関の事務局には、
金融商品取引業者等に対する検査を担う「証券検査課」等の各部署が設置され、
地方の金融商品取引業者に対する検査担当職員は、各地方財務局等に配置されています。
平成21年度末時点で、職員総数674名(うち証券監視委は374名)が所属しているそうです。
実際の検査では、
この証券取引等監視委員会(SESC)から再委任を受けた各財務局が来るケースもあります。
◆ ◇ ◇ ◇ ◇ ◆ ◇
◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆
□■┌─────────┐
■□│3
:検査の流れ
□■└─────────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏━┓
┃実┃際の検査は、証券取引等監視委員会(SESC)の公表する
┗━┛
『証券検査に関する基本方針』に従って行われます。
それでは、実際の検査の流れを見て行きましょう。
────────────────
@検査基本方針&基本計画の策定
────────────────
証券監視委事務局では、毎年度はじめに、
「検査基本方針」及び「検査基本計画」を策定します。
策定後は公表され、証券取引等監視委員会(SESC)のHP上でも公開されます。
────────────────
A検査実施計画の策定
────────────────
@で策定された検査基本方針&基本計画に基づき、
<検査対象先><検査日数><臨店検査官数>等を含む
具体的な検査実施計画が策定されます。
────────────────
B検査命令
────────────────
@・Aの決定事項に従って、証券取引等監視委員会(SESC)の委員会委員長名や
財務局長名等で、「検査命令書」が作成され、
主任検査官等に対して検査命令が発令されます。
────────────────
C臨店検査の実施
────────────────
いよいよ・・・緊張の臨店検査の実施です。
臨店検査に際しては、臨店検査対象業者の責任者に対して、
<検査命令書>及び<検査証票>を提示した上で、
検査権限の説明・検査への協力依頼・検査プロセス等の説明があります。
検査は、基本的に、検査対象先の責任者等1名以上の立ち合いのもと、
検査官が業者のオフィスにずっと滞在し、行われます。
業者さんのオフィスの1部屋にこもり、ひたすら書面や数値確認を行ったり、
役員や営業担当者とそれぞれ面談を行ったり、
営業室に入り、日頃の営業行為を含む「動体調査」を行ったり・・・・様々です。
短い場合で1週間程度、長ければ1ヶ月以上に及ぶ場合もあります。
その間、業者側の検査対応を行う責任者(通常はコンプライアンス・オフィサーなど)は
検査対応に追われることとなり、体力的にも精神的にもかなり疲労するでしょう。
※なお、臨店検査中の業者名は、
証券取引等監視委員会(SESC)のHP上で公開されることとなります。
※臨店期間中、検査官から指摘が入る可能性があり、
その都度対応をする必要があります。
────────────────
D検査報告書の取りまとめ
────────────────
E証券監視委事務局による報告内容の検討
臨店検査が終了すると、主任検査官により検査報告書の取りまとめが行われます。
証券監視委事務局にて、今回の臨店検査報告をもとに検討を行います。
D・Eを受け、主任検査官より、口頭で、臨店検査結果の講評が行われます。
講評には、検査対象先の責任者の出席が必須となります。
通常は役員の方も自ら希望して同席されるケースが多いようです。
講評の内容を受けて、検査官と業者サイドで認識・主張が異なる場合、
「意見申出制度」を利用して、意見相違を主張する機会が与えられています。
通常は、講評を受けた日の翌日から起算して3日以内に
意見申出書を提出する必要があります。
────────────────
G検査結果の証券監視委への報告
────────────────
H検査結果通知書の交付 or 勧告
────────────────
臨店検査の結果、最終的に行われるのが、「通知書の交付」or「勧告」です。
「勧告」は、検査の結果、重大な法令違反等が認められた場合に行われます。
勧告に至った場合は、検査終了後、検査対象先の名称・商号等も含めて、
証券取引等監視委員会(SESC)のHP上に公表されます。
この勧告に基づき、金融庁から最終的な「行政処分」が下されることになります。
以上が検査の全貌です!
※証券取引等監視委員会(SESC)HP
私も銀行員時代にこの手の検査を経験しましたが、
それはもう細かい検査で、顧客ファイルや契約書をごっそり持ち出して、
日付やらサインやら契約内容の確認をもくもくとされ・・・・異常な緊張感に包まれます。
日常の業務状況を確認する「動体検査」では、
突然金融の知識を問う質問をされたり、個別面談で日頃の営業スタイルを細かく確認されたりと、
皆神経のすり減る思いで検査を乗り切っていた記憶があります。
あなたの会社がその対象になった時。
検査をクリアする体制はできていますか?
最低限おさえるべき法定書面・帳簿、体制整備はできていますか?
次回は、<検査の時準備すべき書類>や<最近の行政処分の事例>を見て行きましょう。
◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◇◆◇◆◆◆◆◆◇◇◇◆◆◆◆◆◇
最後までお読みいただきありがとうございます。
弊社では、お電話・ご面談での初回のご相談は無料で行っています。
最近の金融検査状況、他の業者様の対応状況等含め、
何かお役に立てる情報をご提供できればと思います。
お気軽にお問い合わせ下さい。
【サポート行政書士法人:専門サイトのご案内】
弊社では下記サイトを展開しております。
金融関連業務について、多種申請の取り扱いがございます。
ぜひ一度ご覧下さい。
○金融ADR講座サイト:http://adr.sg5.jp/
○投資助言・代理業専門サイト:http://jogen.sg5.jp/
○ファンド作成専門サイト:http://fund.sg5.jp/
○第二種金融商品取引業専門サイト:http://dainishu.sg5.jp/
○信託受益権専門サイト:http://www.1353shintaku.com/
○不動産投資顧問業専門サイト:http://asset.sg5.jp/
○公式サイト:http://www.shigyo.co.jp/
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※<アドレス変更>及び<配信停止>手続はこちらから※
本メールは、当社の金融実務メルマガ『金融時事通信』配信にご登録いただいた
お客様にお送りしております。
ご登録いただいたメールアドレスに変更が生じた場合は、
速やかに下記メールアドレスまで「アドレス変更」と記載の上ご連絡くださるよう
誠にお手数をおかけしますが、下記メールアドレスまで「配信停止」と記載の上
※免責事項※
本メール及び添付ファイルに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、
その内容について保証するものではありません。
本メール及び添付ファイルに記載された内容をご参考にして何らかのご判断をされる際には、
必要に応じ事前に弁護士・行政書士等の外部専門家にその取引や判断の確実性・安全性を
ご確認の上、御社ご自身のご判断に基づき実行されるようお願い申し上げます。
本メール及び添付ファイルに関して、読者及びその他関係者が受けた損害について、
弊社は一切の責任を負わないものとします。
***********************************************
サポート行政書士法人
東京オフィス 小関 佐智子
http://www.shigyo.co.jp/
koseki@shigyo.co.jp
■〒150-0021
東京都渋谷区恵比寿西2-2-6
恵比寿ファイブビル2F(受付)
TEL:03-3780-7068 FAX:03-3780-7069
■〒450-0002
名古屋市中村区名駅4-25-17 三喜ビル6F(受付)
TEL:052-562-1353 FAX:052-562-1354
■〒541-0052
大阪市中央区安土町2-2-15 堺筋本町駅前ビル4F
TEL:06-6266-1353 FAX:06-6266-1352
ブログ http://kika.sg5.jp/blog/
***********************************************